「ひゃなひて(離して)」


「っははは!!マジおもしれー」


 離してもらえたけどこんなに笑われるとなればこんな私も一応は女の子なのでムッとして、両頬を抑えながら彼をにらんだ。


「笑わないでくれます?」


「だって鈴原さんのあの顔マジで面白かったから。傑作だよ」


「ちょっと!乙女に向かってひどいじゃない!!」


「これはこれは失礼しました」


「失礼な人。…でも、教室の久我君よりは今の久我君のほうがおもしろいよ」


 わたしは思ったことをそのまま口にした。


 すると久我君は一瞬目を大きく開いたがすぐにいつもの意地悪な笑みを浮かべた。