「あの、このことは秘密に……」


「ああ、いいよ。そのほうが俺も安心だな。その顔を他奴に見られたら、ね?」


 久我君は不敵な笑みを浮かべながらわたしに言った。


「久我君はあまり関係ない気が……」

 深く追及されなかったことに安堵しながらも、

 ぼっそとわたしは気づかれないように悪態をつく。


「なんか言ったはこの口かな?」


 わたしの声はしっかりと久我君に聞こえていたようで、優しく聞かれてはいるものの聞く態度はおかしすぎる。


 片手でわたしの頬を挟みながら言った。

 力の加減をしてくれていないのでかなり痛い。おそらく、顔は思いっきりしかめていると思う。