教室に入り席に座り
教室を見渡す。
楓が、いないからか
すごく教室が広く感じる。
「神無月!」
俺を呼ぶ声が聞こえ、振り向くと
中学の時の同級生。
入野海斗(いりの かいと)
が立っていた。
「おー、入野。おまえも
この高校だったのか。」
「おー、よろしくな!
神無月!てか華山は?」
「よろしく。楓?
楓は2組だけど…」
「嘘?!一緒じゃねーの?」
目を見開いてそう叫ぶ入野。
「うん。」
「じゃ、華山モテんだろーな。
中学ん時は華山の隣にいつも
神無月が居るから近づけないって
嘆いてた男子がたくさんいたんだぞ?」
「へー。あんなやつを
好きになるやつなんか
いるんだなー。」
そんな事言った俺だが
中学の時に楓を好きな男子が
いることぐらい知っていた。
近づけないのなんか当然だ。
近づけない様にしてたんだから。