小さい頃。
ウチは翔夜と喧嘩したら、必ずここにきてお互いに謝っていた。
ウチが小さい頃、町を探検していたら
この人気のない工場がある港みたいな所についてあの綺麗な海を見つけた。
まさに、ウチと翔夜だけの癒しの場所。
「懐かしいね……」
「あぁ……」
昔とまったく変わってねぇ。
「僕ら、喧嘩毎日のようにやってたよね」
「全部原因はお前だろ」
「ひっどーい!!!!捺夜が僕のご飯のおかずを取ったりしてたんじゃん!!!!」
昔にこれでもかってくらいたくさんした喧嘩は
今となってはいい笑い話だ。
「捺夜……」
「ん?」
「捺夜の大切な人って誰?」
……………。
「は?」
翔夜の質問にリアクションするのが遅れてしまった。
何言ってんだ?
コイツ。