前は、一日に何十人もの相手を普通に倒して勝ってたしな。
でも、翔夜と話すようになったあの日。
あまり喧嘩はしないでおこうと思った。
もし、喧嘩したら
翔夜に回ってきそうで怖ぇし、危ないから。
でも、今日のはさすがに我慢ができなかった。
翔夜本人が辛そうな顔して、
イジメられている時の事を思い出して泣きそうな顔をしていたから。
あれには堪えられなかった。
「ハハハ、捺夜らしいな」
遼先輩はそう言って、ウチの短い髪の毛をクシャクシャと撫でる。
「教えてくれてありがとうございました」
ウチは遼先輩に軽く頭を下げる。
「いぃよ。これからも翔夜くんを守ってあげて?」
………?