僕はブルブルっと頭を横に振り、もう一度考えた。



でも、何を考えても頭には捺夜が浮かぶんだ。




「それ…だけ……」



そう言って万優架ちゃんは屋上から姿を消した。



僕はボーッとしながらチャイムの音と共に教室に戻った。



「こら、加藤!!!遅刻だ!!!!」



「すいません……」




先生にペコリと頭を下げて謝って、僕は自分の席に着く。



隣の席に捺夜はいなくて、机が一人、ポツンと寂しい空気を作っていた。



捺夜……。



やっぱり僕に呆れたんだ。



机からの寂しい空気を浴びて、僕まで寂しくなったんだ。