「なにそれ………」


「なにそれて、そのまんま」


「はぁ?!」




最悪……。



「捺夜?翔夜?そこにいるの?」



すると、お母さんの声がドアの向こうから大雨の大きな音と一緒に



聞こえてくる。



僕は慌てて玄関のドアを開ける。



そしたらこの大雨で全身ビショビショになったお母さんが入ってきた。




「あぁ〜濡れた濡れた!!!!翔夜、悪いけど、タオルを持ってきてちょうだい」



僕はお母さんに言われた頼み事にうなづいて、靴を脱ぎバスルームに行こうとしたら……。



「はぃ、母さん」



知らない内に捺夜が素早く、イャ、いつの間にか持ってきていた。



「ありがとう、捺夜」



お母さんは、タオルで水滴をふきながら笑顔でそう言った。