ウチは、今スタスタと街中を歩いていた。
馬鹿なウチっ
弟に何手ぇだしてんだよっ
こんな事して、一番傷付くの………
翔夜だろ?
ウチは、頭をバシバシ叩きながら歩くスピードを速めていく。
「捺夜っ!!!!!」
愛しい愛しい、
アイツに会うために。
「遼っ……」
さすがのウチも遼を見たら、翔夜の事なんか一瞬で忘れられる。
これは翔夜より遼の方が大切って証拠っしょ?
なら、やっぱりウチは翔夜は弟としか見てない。
あのキスも翔夜のなんかが遼に似ていたからしてしまったんだ。
それならそうと、翔夜にあとで謝んないとな?
気があるって誤解されてるだろうし。
「捺夜?どうかした?」
「イャ、ちょっと翔夜の事で………」
「翔夜?」
遼の眉がピクッと動いた。
ハッ!!!!
しまった!!!!
やってしまった!!!!
「違う違う!!!!ちょっと考え事しててさ。わりぃな早く飯にでも行こう?」
ウチはなんとかごまかすために遼の腕を無理矢理引っ張ってその場から離れた。