「うん………」



顔を赤くしたまま、翔夜はウチにおんぶされた。



「なんか、お前やっぱりガキだな」



「うるさい!!!早く進んでよっ!!!!!」



クスクスと笑いを堪えながら、ウチは「はいはい」と返事をして靴を履いた。




「捺夜、」



「ん?」



「捺夜、退院した時言ったよね?」



「…………なんて?」



「僕の事………大嫌いだってっ……」




ああ、あの時の事か……。


「あぁ、そんな事言ったなぁ」



なんだ?コイツ。

まさか、あの時の事謝れって言うんじゃないだろうな?



「今は?」



は?



「今って?」



「今はどう思ってるの?」


「どうって……普通に自分の弟」



「そっか………」



なんだ?コイツ。



いきなり問い詰めるような顔したと思ったら、今度はショボくれやがって。



「でも、嫌いじゃないんだね?」



「…ぁ、…あぁ」



「よかったぁ……」



意識が一気に背中にいく。


今、きっと翔夜はホッとした顔をしただろうと。


首にきた翔夜の息が教えてくれた。