え?


キス………?



「翔夜は、家族なんだろ?捺夜。」



「………」



「だったら、俺とキス…出来るよな?」



「はる…「あぁ、出来るよ」



捺夜がわざと僕の言葉を遮った。




捺夜はスッと立ち上がり、迷う事なく遼のところに行った。



「捺夜………」



ボロボロになった僕より、カッコイイ遼を捺夜は選んだ、
家族よりエメルを捺夜は選んだんだ。




そして、捺夜は僕の前だからとか戸惑いもせず、



遼と唇を重ねた。




―――――――ドクンっ



捺夜が違う男子とキスするところ、初めて見た。


それがあまりにも絵になってて…………



それが、悔しくて


僕と釣り合わないって感じがして………。




「やめて!!!!」



僕はあまりの辛さに二人を無理矢理突き放した。




「翔夜……」



「なんで?なんで遼とそう簡単にキスするの?」



僕は捺夜の両肩を掴んだ。
こんな事しても意味ない事は分かってる。



「なんでキスするのさっ!!!!」



「翔夜…」



「僕以外の人と…キスしないでっ」


掠れた声が小さく響いた