え?
「な!?捺夜さん!!?」
「ザコイんだよ
てめぇら。失せろ」
捺夜は、僕に……じゃなく。僕をボコボコにした奴らを睨み付けた。
「なんで、捺夜さん………」
「ウチは、しらねぇっつーただけで何も殴っていいとは言ってねぇだろーが」
「そ、そんなぁ……」
「さっさと失せろ」
捺夜は手の間接をバキバキ言わせながら、怒鳴りちらした。
奴らはヒィィ!!!って叫びながらどこかへ消えていってしまった。
捺夜は僕に背中を向けている。
どうして………?
始めは助けてくれなかったのに。
「なんで…?捺夜っ」
「なんで?それはこっちの台詞だ」
捺夜は体全てを震わせて微かな声でそう言った。
「なんで……ウチの名前を何度も呼ぶんだよ」
「捺夜…………」
「なんで、あんたを嫌うウチの名前を呼ぶんだよ…
なんで付き合ってる万優架ちゃんを呼ばないんだよ」
捺夜………
「なんでっ……」
僕は、ドサッと座りこんだ捺夜の手をボロボロな手で優しく包んだ。