「捺夜………」
来た人は
捺夜だった。
涙が溢れた……
のに。
「捺夜さん」
相手はニヤリと笑った。
二人は軽いハイタッチを交わしていた。
「捺夜さん、待ってましたよ?どこに行ってたんですか?」
「………ちょっとな」
「捺夜っ……」
なんで?
「捺夜さんと、俺ら、最近いつもつるんでんだよねぇ?」
相手がまたニヤリッと笑った。
「捺夜さん、コイツ。やっちゃっていいですか?」
「捺夜っ……」
僕の声に捺夜がこっちに振り向く。
「………」
でも、捺夜は僕を冷たい目で見下ろして睨んでくる。
そして…………
「しらねぇ、そんな奴」
捺夜はその一言だけ言って、近くにあった木の椅子に座った。
視界がモノクロになった。
「おぉ〜い!!!やっていいだってよ」
「んじゃ、やりますかぁ!!!!」
相手四人が素早く僕に
殴りかかった。