もう、諦めた方がいいのかな……?
正直、辛いけど……。
これでいいのかもね?
たぶん、捺夜は僕の事を思い出さないと思う。
でも、それでいいんだよ。
だってもし、僕の事を捺夜が覚えていたら、僕らは一瞬で
離されるだろうから。
お母さんだって、僕と捺夜の本気の禁断の恋を知ったら、迷いなく僕らを離しにかかる。
そんな事されるぐらいなら、辛い思いをするくらいなら、僕はこのままでいい。
この平和な日々のままでいい。
捺夜と話せないけれど、
捺夜の側にいられるのなら、僕はこのままでいい。
もう、捺夜の泣き顔なんか、辛い顔なんか
絶対見たくない。
でも、
―――――ポタッ
「………ぅっ…」
捺夜が
愛しくて、愛しくて………
たまんないよぉ……。
僕の頭の中は、知らない間に
捺夜でいっぱいになっていた。
「捺夜ぁ……っ…」
こんなに好きなのに
こんなに愛しいのに
僕の思いは
届かない。