やっぱり、捺夜が僕には必要なんだ。
ゴメン捺夜
なんでも言う事聞くから…
だからお願い、捺夜……
助けにきてよっ……?
「………ゃっ……」
え?
どこからか声が聞こえてきた。
僕は顔を上げて、辺りを見渡す。
「…………ゃっ…翔………」
誰かが来てる……。
僕を探しに。
探しにきてくれている。
僕は、素早く立ち上がりまた辺りをキョロキョロと見渡していた。
「…翔……ゃ…」
どんどん声が大きくなってきている。
もう、近いんだ。
「ここだよぉ!!!!」
僕はやけになりながら、大声で左右前後の道に向かってそう叫んだ。
向こうから、ひとつの人影が見えた。
そして僕は、
助けにきてくれた相手に
涙を流した…………。
なんで?
なんで、捺夜
じゃないの………?
僕を助けにきてくれた人影の正体は
万優架ちゃんだった。