「ぇ………?」



僕はきっと表情がどんどん崩れていってると思う。



それでも、捺夜は真顔で僕をギッと睨みつけてくる。


「聞こえたか?気安く話しかけんなっつーてんの。」


僕の目に捺夜の目が



鋭く



深く



そして、強く




僕に突き刺さる。




「気安いんだよ。」



「捺夜……。」



「だから、気安いっつーてんだろぅが!!!!!!」




捺夜は叫びながら机をガンっと蹴った。


ガターン!!!!



ひとつの机は大きな音を立てながら、横になって倒れた。



シーン……。



教室にまた静かな空気が帰ってきた。



「お前みたいな弟。………大嫌いだ……。」



涙が出なかった。



あまりにも突然の事で……。



あまりにも辛い言葉で……。




「うせろ……」




男の子達はニヤリと笑って、いかにも勝ったみたいな顔をして、こっちを見ていた。