僕は万優架ちゃんと付き合う事にした。



理由はただ、ひとつ。



僕の心の中に住み着いている、捺夜への思いを消すため。



万優架ちゃんには悪いって思ってるよ?



これじゃあ、万優架ちゃんを利用しているだけだって。


万優架ちゃんに悲しい思いさせるだけだって。



でも、今の僕にはそんな考えを持てる余裕はないんだ。



捺夜を忘れなくちゃいけない僕には



今は自分の事しか考える事ができないんだ。




次の日。



僕は涙を拭いて、玄関を出た。



捺夜は一週間も入院しなくちゃいけないんだって。



捺夜、たくさんの包帯に巻かれてた………。



大丈夫かなぁ………?





…………………は!!!!




ダメダメダメダメ!!!!



捺夜の事はもう考えないって言ったのは





僕でしょ!!!?




僕は手をグーにして頭をポカポカと叩く。