…………「………」
「だから…………って翔夜くん!!?」
僕はボロボロと涙を床に落としていた。
辛い思いをしていたのは僕だけじゃないんだって。
捺夜もたくさん苦しんでたんだって。
「…ふぇっ……捺夜ぁ………っ…」
涙が止まらないよ……。
―――――フッ…。
すると、手術室の赤くなった文字は暗くなって、中からはおじさんが出てきたんだ。
「せ、先生!!!!捺夜……捺夜は!!?」
「手術は……成功です」
マスクを取った先生はゆっくりと話した。
「先生!!!!!」
お母さんが向こうから駆け寄ってきた。
お母さんは手が真っ赤だった。
「お母さん……?どこにいってたの?」
「捺夜の部屋で……ずっとお祈りしてたの。捺夜を連れていかないでって」
涙を流しながらお母さんは微笑んだ。
そうだったんだ。