「行かなきゃ………」
ポツリと僕の胸から聞こえた言葉。
「ぇ………?」
「行か……なきゃ…」
「お母さん…?どうし…」
僕の言葉を無視して、お母さんは走ってどこかへ行ってしまった。
「お母さん!!!!!」
叫んでも、お母さんは立ち止まる事なく走りやがてお母さんの姿はなくなった。
「大丈夫………翔夜くんのお母さんはきっとすぐ、帰ってくるよ?」
遼先輩が立ちつくした僕の隣にきて、優しく僕の頭を撫でてくれた。
その手はものすごく温かくて………。
魔法がかけられたように
僕の心を落ち着かせる。
「捺夜ね?」
僕の頭を優しく撫でたまま、遼先輩は口を開く。
「エメルで集まっている時、いつもネックレスを眺めてニコニコしてた」
「そうなんですか?」
ちょっと以外かも……。