「はじめまして、捺夜さんの友達の柳瀬遼と言います」
遼先輩は涙でボロボロになっているお母さんに礼儀正しく頭を下げる。
「は、はじめまして……」
お母さんと遼先輩は電話で何回かしていたみたいだけど、会うのはこれが初めてみたい。
「捺夜さんは……?」
「………」
お母さんは遼先輩の発言に黙りこんで、僕の胸にスッポリ入ったまま、顔をうめちゃった。
「先輩……捺夜は今……し、手術中なの………」
「マジかよ………」
幸くんは目を見開いていて、佑真先輩は相変わらず無言。
「捺夜…………」
僕は床に座りこんだまま、赤く点滅されている手術中の文字を見上げる。
中では
捺夜が戦っている………。
生きるか死ぬかの分かれ道を前に………。
僕も…………
しっかりしないとっ!!!!!