「もしもし……?」



これが今の僕には精一杯だった。



《翔夜!!?大雨だけど、そっち大丈夫!?仕事中に雨降ってきたから心配で……》



お母さんだ……。


僕は安心したのか、涙が止まらない。



《翔夜……?》



「お母さん!!!!!捺夜が………捺夜がぁ!!!!!」





僕の言い方に何かあったと判断してくれたお母さんは、僕の場所に急いできてくれて




救急車を呼んでくれた。





捺夜は永遠の眠りについたのかのように、眉ひとつ動かさず、静かに眠っていた。



捺夜っ…………。



死なないで…………。