マジ、わけわかんねぇ。
翔夜の奴。
せっかく……応援しようて思ったのに。
ウチはポケットに手を突っ込んで、ハイカットの靴をズリズリとヤンキーが歩く感じに歩いて、自分の席に戻る。
席に着いてからも、女子がうるせぇのはまったくかわんねぇけどよ。
少ししてから、翔夜が出る借り物リレーが始まった。
翔夜は第二走者で、緑が圧倒的に勝っている時に翔夜にバトンがまわった。
以外と足が速かった事にビックリしたけどな。
でも、翔夜は借り物が書いてある紙をジーッと眺めたままだった。
「加藤ぉーーー!!!!」
「何ボーッとしてんだ!!!!」
「急げぇ!!!!!!」
クラスの奴が翔夜に向かって叫んで、翔夜はいきなり走り出した。
こっちに向かって。
「ハァ……」
「加藤、どうした!!?」
「お題、クラスメートだっのか?」
翔夜は息を整えて、
「捺夜…………」
ウチの名前を呼んだ。