お父さんは夢はあるけど
仕事は続かない人だった。
仕事は続かないけど
イケメンなので
女の人は途切れず続き
デキ婚でお母さんと結婚しても
色んな女の人の影がチラホラと動く。
でも
お母さんは知らん顔で堂々としていた。
だって、いつもお父さんはお母さんの元に帰ってきたから
何があろうと
最終的には戻って来てくれた。
だから大丈夫って思ってた。
ほら
考えが甘いよお母さん。
お父さんは台所で浮かれる私を急にギュッと強く抱きしめて「誕生日おめでとう」って言い、次はお姉ちゃんに近寄るけどお姉ちゃんは「私は誕生日じゃないから」ってハグを断り、お父さんは苦笑いする。
そして隣の部屋から偽ブランドのスポーツバッグを取り出して「タバコ買ってくるね」って家を出て
二度と帰って来なかった。