「だったらいいんじゃない?
少しくらい相手してやれば」
素のわたし『いばら様』ファンの入谷が言った。
「それが気に食わないんだよ!
クソ!このわたしがあんなガキといて楽しいだなんて!!」
ありえない!!
わたしは怒鳴りながら、目の前の椅子を蹴飛ばした。
「でも〜、初めてはあげれないって…つまりいばらちゃん、経験済みぃ!?」
おっとりとした口調で、かつ、ショックを受けながら親友の梓が言った。
「人並みにしたことくらいあるっての」
「そんな!!まさかあづのいばらちゃんが……!」
梓は窓の外に向かって叫んだ。
「お前一体どんな目でいばら様を見てたんだ……?」
入谷の呟きを無視して、わたしは教室を出た。
外はだんだんと曇ってきていた。