「一平くん....どこ行くの?」
明きあらかに家とは違う方向に歩く先輩に不安になって声をかけた。
「いいから」
ビルが立ち並ぶ街を先輩に手を引かれながら歩く。
ほどなくして、とある雑居ビルのに入ると、先輩はエレベーターの10階を押した。
「.....ここは?」
先輩は答えてくれない。
狭く閉鎖された空間かやけに重く苦しく感じる。
あっという間に10階までくると、先輩は非常階段を上る。
....ここってまさか?
急に不安が押し寄せてきた。
ハッキリはしないけど、見覚えのあるような気がして。
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