各々がこれからを楽しもうと生徒会室を出て行った。


「一平っ」

「ん?」


清良先輩だ。


「あの、これから私たちも....」


「悪い。俺先約あるんだ」


「先約って?」


慌てた様子の清良先輩。


「清良....。綾乃に手ぇ出したら俺はお前を許さない」


「な、何のことっ?」


「俺が誰を選ぼうと清良がとやかく言う権利はないからな」


低く静かに言葉を紡いだ一平先輩に清良先輩は何も言い返せなかった。


清良先輩は一平先輩の言わんとすることを理解したようだった。

唇をかみしめてうつむく。


「行こうか綾乃」


「えっ、綾乃ちゃん?」


先輩は私の手を取ると、ぼう然とした清良先輩をしり目に歩きだした。