「天気で良かったよな」


「うん、今頃織姫と彦星も出会えてるね」


校庭の所々に設けられた、休憩スペースの椅子に私たちは向かう。


リア充に配慮して、学校の椅子をふたつづつ、あちこちに置いただけのものなのだけど、結構好評のようだった。


私たちもその一つに座る。


「浴衣、似合ってる」

ちょっとぶっきらぼうに小坂くんが褒めてくれた。

「あ、ありがと。小坂くんもいつもと雰囲気違う」


自然と顔が熱を帯びた。



「俺、一平さんにはぜってぇ負けないし」

「う、うん」

「お前も、もっといい女になれよ」


答えようとした唇は彼によってふさがれていた。


私の椅子の背もたれに彼が手をかけて、優しく覆いかぶさるようにして。


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