「それで?」


それでって....。明らかに次の言葉があることを知っての発言。


さすがだな、先輩は。


一平先輩の一言が私の心を凪へと導いてくれた。


「二人が私を想ってくれる気持ちはとっても嬉しいんです。

私ね、だいぶ前に玲奈に言われたことがあるんです。
『人気者の二人とつきあうには、女子から嫌がらせされないためには、グウの音が出ないほどいい女になること』って。

私、そうなりたいんです」



二人とも一言も言葉を発せず聞いていた。


「大学で心理学を専攻しようと思ってます。
私の経験を少しでも生かして、同じような思いをしてる人の役にたちたくて」


黙って聞いていた一平先輩が口を開いた。