私の中ではもう答えは出ている。


あとはそれを言葉にするだけ。


こんな簡単なことがこんなに難しいなんて。



私は瞳を閉じて小さく息を吐いた。


その時は来た。


「私、一平先輩とも小坂くんともつきあえません」



私の唇を離れた言葉は屋上を流れる風にのって静かに二人に届けられた。



自覚のなかった緊張から張っていた肩が、ガクンと重力に迎合した。


その間にも時間は確実に時を刻む。


私の言葉が過去になった時に一平先輩が静かに口を開いた。