「.....私.....一平先輩も小坂くんも大好きです。
二人は私に色んなことを教えてくれたし、幸せにしてくれました」


心を落ち着かせるために一度、足元に視線を移した。


あ、アリンコ。


こんなところまで登ってこれるんだ。

コンクリート打ちっぱなしの屋上の床に食べ物なんてないのに。

それともここでお弁当を食べた生徒の食べ残しを狙って来たのかな?


あは、仲間からはぐれて迷子になったのかも。


くだらないことに思いをはせてしまった。



二人への回答を遅らせてる自分にふと気づいたとき、
本当にこれでいいのかと迷いがふつふつと湧いてくる。


そんな私を知ってか知らずか、まるで写真のワンシーンのように二人は微動だにしなかった。