「お待たせしました」


屋上の一番端まで歩いてきた私は、二人を前にして何故か敬語になってしまった。


目をつぶり、再び大きく息を吐く。


無意識にそうしていたんだと思う。


これから言うことは期待を裏切ることになるんだから。



こういう場合は期待を持たせないためにも、敬語のほうがいい。