「ここだと教えにくいから、あっちのテーブルに移動しようか?」


「......」


「ふう」一平先輩がついたため息さえ私には届かない。



「────綾乃、どうしたの?」

肩を叩かれて我に返る。

「えっ?」

驚いて先輩の顔に視線を向ける。



「さっきから上の空。俺の話聞いてた?」



「あ....ごめんなさい」



「やっぱり小坂と何かあったんだね?」



「違うの....私は関係ないの」



「......?」