ガラッと扉を開け、教室の中に入ると、

まだ少ないクラスメイトがチラリと振り返り、

俺の顔だけ確認すると読書やお喋りに戻る。

俺も辺りを見回して確認だけすると、

黒板に貼ってある席順の紙を確認しに行く。

さっき昇降口で、クラスと一緒に確認した

自分の出席番号を探す。

26席。窓際の左列の一番後ろだ。

皆が憧れる、けど大して

他の席と変わりない窓際の席。

その席に座って少ない荷物を取り出して、

机の中にしまう。

まだ自分の周辺の席の人は

来ていないみたいだ。

と、なるとやることもなく、

暇になってしまった。

あまり友人のいない俺にとって、

わざわざ別のクラスに行って

話す人なんていない。

そもそも友人がどのクラスなのか知らない。

とりあえず、HRが始まるまで

読書をすることにした。