4月。

由比ヶ丘学園高等学部では始業式が行われた。

そしてその日、俺は高校3年生になった。


昇降口に張り出されているクラス表を見に行く。

早めに来たにも関わらず、そこにはわらわらと

生徒たちで溢れかえっている。

残念ながら平均身長の俺は、人の頭で隠れて

前の表を見ることができない。

仕方なく、あちらこちらで聞こえる

残念そうな声や嬉しそうな声を掻き分け、

なんとか最前列に出る。

人混みに流されかけながら、

自分の名前を見つける。

3-Bだ。

それだけ確認すると生徒たちの集団を抜け、

下駄箱へ靴をいれると、自分の教室に向かう。