しかし、陽介君は何も言わず作業を進める。


これ以上何を言っても聞く気はないのかもしれない。


「ねぇ、お願い……あたしを家に帰して……」


地震の影響でどうなっているのかも心配だし、ここにいる事も不安でしかなくなっていた。


「地震の影響で電車は止まってるよ」


「え? でも、昨日は電車で帰って来たんでしょ?」


「昨日は臨時のバスが出てたんだ。そのバスも何時ごろ来るのかわからない」


陽介君は掃除を終えてあたしを見た。


あたしは思わず身構える。


こんなに小さくなってしまったあたしが暴れたって、きっと痛くもかゆくもならないんだろうけれど。