陽介君は自分がどれほど残酷な事をしているのか理解できていないのだ。


この姿が本当に美しいと感じている。


だから迷うことなく、あたしの右足を切断したんだ。


「君は世界一美しい虫だ。それを自覚してもらうために今日から虫かごで生活してもらうことにする」


陽介君にとって、あたしは人間ではなく、ただの虫なんだ……。


あたしは透明ケースの中から陽介君を見上げて、愕然としたのだった。