マジか!はぁー、思わず溜め息が出る。
もう一度、彼女の隣に腰掛け、顔を覗き込む。
相変わらず、彼女は俯いたままだった。

 「愛実、・・・何て顔してんだよ。」
「えっ」
「泣きそうな顔してる。」
 俯いていた、彼女が、意を決したように、俺を睨みながら言った。怖くはないが。
「だ、だって、、会ってた人って、コンビニの本社で会った人でしょ?」
驚いた!「えっ、なんで?」
思わず訊いていた。
「何か、声が似てた気がする。」
すげーなぁ、ってまぁ、あいつの声を思い出して、そういえば特徴のある声をしていたと気付いた。
分かりやすくて、好きだったなぁ。
とか、思い出してたら、さっきまで泣きそうだった彼女が、怒りを抑えているような、低い声で言ってきた。

 「どうせ、元カノとかでしょ。仲良さそうだったし。」
「よく分かったなぁ。」感心してしまった。
すると、彼女の表情がみるみる歪んでいく。

 「あ、アイミちゃん、、」
「なんで、そんなにやけてんですかっ!!てか、何で、元カノと夜に会ってんの?あたしが昨日、今日とどんな思いでいたか・・・」
アッ、ヤバイ、泣き出してしまった。

 「ちょ、ちょっと、泣かないで。アイミちゃん。説明させて、・・」
宥めるために、彼女を抱き寄せ、背中を撫でる。拒否されなかった事に安堵し、俺の肩で泣いている彼女を愛しく思う。

 「愛実、俺が好きなのは、愛実だけだよ。それだけは信じて。」
すると、彼女は反論してきやがった。
予想外だ。