最初は絶対に関わりたくないと思ってた長瀬を、気が付いたら好きになってた。


まるで、そうなることが決まってたみたいに、恋に落ちてた。


長瀬に触れられると、ドキドキして落ち着かない反面嬉しいと思ってる自分がいるし、キスも……いや、あればかりは何回したって慣れないけど。


でも、そうやって少しずつ少しずつ、私と長瀬の関係はきっと変わっていってる。


「まぁ?あんたが色々考えたところで、長瀬は逃してくれないと思うけどね」


茉莉は、私の鼻頭をチョンとつつく。


「長瀬の方は、イチャイチャする気満々て感じだしね〜」


「…やめてよ。その温度差についていけないんだってば!」


「まぁでも、最終的に一番大事なのは、長瀬がどれだけ咲希を大切に思ってくれてるかって事だと思うけどね。私は」


朝のホームルームの時間を知らせるチャイムが鳴って、担任の先生が教室に入ってくる。


茉莉は私に意味深な笑みを残すと、席へと戻っていった。







***


「センパイ。今日、一緒に飯食お」


「なぜ」


昼休みの時間。


今日は、持参した手作り弁当を食べるべく鞄の中からお弁当を取り出した時だ。