それを聞いた茉莉は、口をポカーンと開けて目を見張っている。
「……何よ」
「……いや…今どきこんなウブな女がいるんだなって……」
なるほど。
それは、天然記念物をうっかり発見してしまった時の顔ってわけね。
……ってオイ！
「これはもしかしてわたくし、このどこぞのお姫様に一から男女のアレソレを教えなくてはいけないのからしら？トホホのホ」
「ち、違うわよっ！！い、今のは、そそそそういう話じゃないでしょ！？」
もう！茉莉ってばバカにして！
私だって、18歳女子高生！それなりの知識くらいあるっての！！
そ、それなりだけど……ってそうじゃなくて！
「つ、付き合うって、そそそういうことするために付き合うの？」
「は？」
「だ、だから、私は長瀬とそういうことは望んでないっていうか…。つ、付き合うことで長瀬との関係が変わっていくっていうんなら……それは…その…もの凄く怖い…」
ただでさえ、長瀬みたいなヤンキーを好きになる日が来るなんて思ってなかったんだ。
もっと言えば、あんな目立つヤツの隣にいる自分なんて想像すらしたことなかった。
