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「雨降って地固まる…だわね」



朝の清掃を済ませ教室に戻ったところに、エントランスでのやり取りをどこかから見ていたらしい茉莉が、スキップしながら私の元にやってきた。


案の定、朝のやりとりを問い詰められて、まだ茉莉に話していなかった、長瀬への気持ちを自覚した一連の経緯を話すことになってしまった。


「地固まった覚えはないけど…」


ニヤニヤしながら面白がっている様子の茉莉をひと睨みしてそう言えば。


「てか、長瀬への気持ち自覚したくせに、何でさっさと付き合わないの？」


茉莉の目が“早く付き合いなさいよ”と言ってくる。


やっぱりそうなるよね。


だから、茉莉にはまだ黙ってたんだけど…。


どうやら、恋愛のスペシャリスト(しかし彼氏募集中)の茉莉には、私の遅すぎる恋愛スピードがヤキモキして仕方ないらしい。


何で付き合わないのかって言われたって…。


むしろ、世の中の恋人達は何を理由に付き合ってるんだ？


付き合ったらどうなるの？


付き合って何をするの？


私と長瀬が、これ以上どうなるっていうんだ。


さっぱり検討がつかない。