キーンコーンカーンコーン♪


夕焼け空にチャイムが響く。

蒸し暑いどよんだ空気の中でも、深奈や男子達と帰っていたら、どんな快晴の日よりも気持ちいい。


「あー帰りたくないよ。」


「茉奈ん家厳しいもんねぇ。」


「綾瀬ん家ってそんなに厳しいの?」


「ザ、お嬢様って感じだよ。ね、茉奈ほんっとーに可哀想。」



「う、うん」


言葉が詰まる。昨日の事がまた脳裏に裏返ってきて。


「綾瀬、どうかしたのか?」


みんな本当に優しい…よね。
この夕焼け空の色がより、みんなを暖かくてらし、優しい空気を流してる。


「…ん、実はね…。」