「なんだお前、可愛いなっ」

「いつもコウちゃんわけわかんないタイミングでキスするのやめてっ」

「お前が可愛いのはもうわかったから、チョコをよこせ!」


そう言うと、マメはうっと言葉を詰まらせてから、ゆっくり首を縦に振った。


「あ、あんまり美味しくないかもだけど……」

そう言って自信なさげなマメがさらに愛しくて、俺は思わずぎゅっと彼女を抱きしめた。

こんなに楽しみなバレンタイン、初めてだったんだからな、マメ。

そう呟くと、マメは拗ねてごめんね、と呟いて、俺を抱きしめる力を強めた。


マメの作ったチョコは確かに不格好だったけど、

食べるのがもったいないくらい、美味しかった。




END