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ピピピピピピピ。

毎朝聞いてる機械音で、俺は目覚めた。

あの後、どうやって一人でここまで帰ってきたか、あんまり定かではない。

昨日泣いたせいで、瞼が腫れている。

この顔を見たら、きっとマメは顔面蒼白となってしまうだろう。

そう考えて、もうマメがあんな風に俺に話しかけてくれることはないとういことを思い出し、また暗い気持ちになった。


「コウー、あんたもう15時なんだから、いい加減起きなさいよー」

「15時!?」


母親の言葉に俺は驚愕した。アラームの設定を間違えたのか、もうとっくに26日が始まっていた。

俺は一瞬焦ったけど、特にすることもないことに気づき、再びパタッと布団に倒れこんだ。


そういえば、今日は玲子の家でパーティーだった。

……でも、何もやる気が起きない。

起きた気がしない。

声すら出したくない。

このままずっと、目を閉じずに、蛹みたいに動かないでいたい。