冷え切った住宅街の片隅で、コウちゃんの体温を感じた。

コウちゃんの両手は荷物で塞がってるから抱きしめられてる訳じゃない。

けど、コウちゃんの顔が私の顔のすぐ横にある。コウちゃんの頬が、私の首筋に触れている。そこだけ、柔らかくて温かい。



人の肌がこんなに温かいことに、こんなにドキドキするなんて知らなかった。



……それから、吸い寄せられるかのように目が合って、睫毛にコウちゃんの唇が触れて、思わず目を閉じたら、今度は瞼にキスをされた。


思わず目を閉じたそのあとに、


今度は唇に柔らかいものが触れた。


コウちゃんの唇はやっぱり冷たくて、柔らかい雪が唇に触れたみたいだった。

なんだかすごく一瞬で、すぐに消えてしまいそうな感触だった。