町で唯一のスーパーにつくと、コウちゃんはまだぶつぶつ文句言いながら、でもコウちゃんのお母さんがあんなに早口で言ったものを全部かごに入れてた。

コウちゃんの記憶力に感心しながら、私はどさくさに紛れてアイスをカートに突っ込んだ。すかさずコウちゃんに頭を叩かれた。


「痛いー」

「お前ハーゲンダッツ2つ入れるとはいい度胸してんなおい」

「いいじゃん稼いでるんでしょう塾講師でー」

「1個戻してきなさい」

「ちぇ!」

「本当可愛くない子に育って悲しいよ俺は……」

「あ、そーだ、コウちゃん11月」

「ん?」

「……やっぱ先に戻して来よーっと」


なんとなくその先を言うことにためらって、アイスを戻しに行った。

すると、ちょんちょんと、肩を誰かにつつかれた。

振り返ると、そこには同級生のコマチちゃんがいた。