「コウちゃん最近髪型とか服装とか俳優の向井誠意識してるよね」
「ちげーよ、あっちが俺を意識してんだ」
「その発言ツイートして炎上すればいいのに……」
「いいからJKは帰った帰った、俺はもう寝る!」
「お酒飲んでマッサージしないで寝るなんて! 明日顔真ん丸になっちゃうよ!」
私はベッドに入って寝ようとしていたコウちゃんの上に馬乗りになって、顔に無理矢理マッサージクリームを塗った。
コウちゃんの顔は綺麗。
透き通るような白い肌に、黒目の多い半月型の瞳。目つきは悪いのに、まつげが女の子みたいに長くて唇がセクシーだから、目つきが悪いんじゃなくて色気のある流し目に見える。
眉毛なんか羨ましいくらい毛が軟らかくて形が整っているし、鼻筋も外国人のようにすっと通っている。笑うと元々大きい涙袋が目立つのがすごく好き。
私はそんなコウちゃんが世界で一番好き。
寝ているコウちゃんに(勝手に)洗い流さないスプレータイプのトリートメントを噴きかけていると、物凄い勢いで睨まれた。
「コウちゃんもそろそろまともな彼女作りなよ」
「うるせー、チビ貧乳さっさと寝ろ」