……それを聞いた梨子は、目を丸くした。
今更言ってはいけないことを、言ってしまったかな。
そう思ったけど、私は構わずまた『ハッピーハッピー』と、騒いだ。
***
「コウちゃんおかえりー!」
「うるせえ。落ちんなよ」
いつも通り、ベランダから身を乗り出してコウちゃんに手をぶんぶん振ると、コウちゃんはまた不機嫌な顔をした。
「……あれ、マメなんでまだ私服なの」
「んー? さっきお母さんとね、お父さんのカード使いまくってねー、美味しいもの食べてきたばっかりなのー」
「将来俺もそんな父になってしまう可能性を考えるとぞっとするわ……」
「へへー」
私がへらへらと笑っていると、コウちゃんがしたから私を手招きした。