俺はなかなか整わない呼吸を繰り返しながら目の前の三人を見上げていた。



「そこを退いてくれないかな?僕はその子を殺したいんだ」



「退くわけないでしょ。この子を守りに私達は来たんだから」



切碕と呼ばれた赤い瞳の男を、藤邦アリスと呼ばれた女の人が睨み付けていた。



「守る……?君のような子が一般人を守るなんてどんな風の吹き回しだい?」




「酷い言い草。それに、この子が一般人だって言うならお前の目は節穴だね」



女の人の言葉に、赤い瞳の男の纏う空気が変わった。



ピリピリと肌を突くような鋭い痛み。



それが殺気なのだと初めて知った。