虎太郎といる時なんかふと思うんだよね、この学校入ってよかったって。

虎太郎に会えたから。

私が通うこの学校は、地元から電車で1時間の所にある。遠いせいか、同じ中学の人は誰もいない。

「そーいえば蒼空時間大丈夫?もうすぐ9時だよ?」

『……私は大丈夫。親が緩いんだ(笑)』


ごめん虎太郎。まだ家のことは言えない。親がいないとか深刻なことがあるわけじゃないけど。

少し勇気がいるだけ。

だから、待っててね。

ちゃんと自分の口から言うから。

この事を知ってるのは地元の仲がいい友達と美晴だけ。

虎太郎は大切な人だからちゃんと言おうと思ってる。