息継ぎが下手だって言われた私は、もうそんなことを言われたくなくて、気にしながらひたすら練習して。


取り残された私がみんなが楽しそうに遊んでるのを見つめていたら、決まって水鉄砲が飛んできた。



「なに、それ……だってそんなの……っ、」



全然、意地悪じゃないよ……。

思わず息を呑めば、二人の笑みが曖昧に揺れた。



「アキは、不器用だからね……」



ポツリ、と。

溜め息混じりに零された晴くんの声。




きみの言う通り。

私が見てきたきみは、本当のきみじゃなくて。

意地悪は、きみの優しさで。

精一杯、私の心を守ってくれていた。

不器用なきみの声が、蘇る……。



ーーーー“俺は、お前のことばっかり見てるから”



ねぇ、やっぱり、きみはヒーローだった。