「……っ、いってぇな!この狂暴女!叩くんじゃねぇよ!」


「うるさいわね、このボケ!桐生くんも一緒にって、晴が誘ったの!」


「ちょっとちょっとー!二人とも、お祭り前に喧嘩はダメだよ?」


「あ?滝澤、お前の幼馴染みだろーが!そんな無表情でボケッとしてん………」



ーーーガンッ!


え……?



「ひ、ひーちゃんっ!?」



今、さっきよりも数倍鈍い音がしたような……?



「……晴のこと悪く言わないでよ!この単細胞!くるくるパー!晴の笑顔はね、チャラいアンタなんかと違うの!」


「日和、ダメだよ。下駄なんて投げたら、さすがのはーくんも痛いよ」


げ、下駄は痛い……!!


ハァ、ハァと顔を真っ赤にして怒るひーちゃんを、晴くんが止めている。


本当に、ひーちゃんは晴くんが大好きなんだね。



「だから、はーくんって呼ぶなっつの!まぁ、オレが悪かったのかもしんねぇけど……!」



どうやら頭に直撃したらしい。

本当に痛そうにする颯太は頭を押さえてる。